『死ぬほどの恋。
ヤバすぎる実話。』
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ひっっでぇなんだこのキャッチコピー??レディコミ???
悪口は置いといて、太宰と聞いて鑑賞してきましたので感想です。
宮沢りえ・沢尻エリカ・二階堂ふみ、この並び抗えないよ…。
原作は恥の多い生涯を送ってきた事でお馴染みの太宰治先生。
そもそもして原作:人間失格とは、一人の男の幼少期~青年期までを描いた堕落と自意識の自伝小説。・・・なのだが、蜷川氏はどうもそこを描く気はサラサラ無いらしい。マジの助?
副題にある通り、蜷川氏が描きたかったのは「3人の女たち」。
故にスタート時点で太宰には所帯がある。え?
おいおいおい人間失格の名を冠しておいて太宰の幼少期が描かれねーのか!?女の味を知ったあたりの描写すら!?はー…まじかよ…。と思ったものですが、ある意味何を見せたいのかハッキリ提示されている。
なんならHPトップ見たら一発で分かるようになっていた。
ほら、カップリングビジュアルだもの。
アンソロジーの表紙だもの。週間小栗旬だもの。
甲斐甲斐しく三歩後ろをついてくる、家庭的で最良の理解者である女。
どこか影のある表面を暴いてみれば、太宰以上の自殺年慮に覆われた女。
一途でかわいらしく見える一方で、誰よりも強く逞しい女。
カップリングありきの三つ巴映画だと親切にトップページで教えてくれてたんですわ。ていうかキャッチコピーもう一回見て?
『死ぬほどの恋。
ヤバすぎる実話。』
ほらレディコミのノリなんだって。ハーレクインなんだって。女性向けアダルトなんだって。記憶の九割が濡れ場だよ。(個人の感想です)
ある意味徹底しているので見ていて気持ちがいいし、何を撮りたかった、のかは受け取った。でも映画…映画かぁ…。写真集です!って出されてたら一定の評価得られたと思うんですよ。
じゃあそこを補って、チケット代最低保障はどこにあるかってやっぱり画のチカラ。
アンソロジーって言ったのは何も揶揄だけじゃない。濡れた魅力(時に物理的に濡れている)を撮るのは上手い。女優さんが隙無くずっと綺麗。そこに関する満足感はあります。
あとは、ま~~ぶっちゃけこのキャスト揃えば何題材にしたって面白くなるよ。芝居はすごくいいもの。てか8割その魅力。ガハハ!
サブキャラもキャスティングからして面白かったんですけどね~。ぜんぜん出てこねぇ。
てか文句も言っていい?
(原作の)太宰って最終的に入水自殺をはかる訳ですけど、そこのエッセンスは拾いたいらしく(?)、随所で水音が使われてるんですね。
うるっっっっせえ!!!!!!!
え!?!?ここ滑走路かなんか!?!?頭痛くなるわ!!
いやシアターとか座席によりけりだからまぁ~~いったん収めるわ。おさめるわよ。でもな!これに関しては言い逃れできねぇからな。劇判がマジで合ってない。
曲自体に罪は無くて、もう画とか脚本とか、とにかく場の空気と合ってない。
極めつけは隣のクソサブカルブスがえっちなシーンとか、太宰がひねくれ発言する度鼻で「フスンッ」「フスッ」て笑っててマジでうるさかった。鼻にポップコーンでも詰まってんの?ティッシュ渡すか悩んだ。これは映画の罪では無い。
少なくとも原作を片手に見るような映画ではない。未読でも問題ありません。でもクソ暗しょーもな小説がお好きな方は原作で楽しむことをオススメします。
蛇足
一方でアニメーション業界ではこんなものが作られているのであった。
www.youtube.com『全人間失格』て。その失格は「俺は人間をやめるぞジョジョー!」の方の意味かよ。
伊藤計劃(映画版)とサイコパス足して割ったみてーな話だな。
SF割腹は興味あるわ。
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