モジョーは嘆いた。
「こういった思考は…一方的に条件を付けてる様で、なんだか…偉そうではないだろうか。」
モジョニンティウスは頭を抱えた。
モジョーはいつもこうだ。
ふたこと目には「私なんかが~」なのだ。
モジョーがモジョーを大切にしない時、なんだかモジョニンティウスまで大切にされていないような気がしてきてとっても悲しくなる。
それを、モジョーは知らないのだ。
『そうやって自分を下げることで身を守ろうとするのはおよしなさいと、言っているでしょう。相手と擦り合わせるものを一人でこしらえるなんて無理は承知です。あくまで、仮説をたてているに過ぎませんよ。仮説は可変でしょう?』
「それはそうだけれども…しかし特別…言い寄られることなど無い私がこのような話をするのは。やはり憚られる。それに、言い寄られている自慢と受け取られないだろうか?私は喪女で、魅力など無いのだから、喪女としての心根を忘れてはならない。常に腰は低くなくてはならない。」
『何を仰るのですか。腰が低いことと、卑屈であること、これらは全く別物です。
モジョー、あなたはきちんと努力してきたでしょう?少なくともマイナスからゼロくらいにはなっているのですから、そのゼロまでの過程を記録・シェアすることに意義があるのです。そうだ、こんな考え方もありますよ。あなたぐらい自信が無いとなると、後進のため・義務と考えてもよいのかもしれませんね。』
モジョニンティウスは続けて言った。
『モジョー。…モジョーでいることに、誇りをもってください。貴方が貴方であるだけで、それはとても素晴らしいことだと、私は考えます。』
「…ありがとう。」
いつかモジョーが、私の大好きなモジョーのことを好きになってくれる日がくるだろうか?
水面に溶け出した月が、モジョーの肌を照らして、きらきらゆれた。